所得控除 「小規模企業共済等掛金控除」とは

イデコ加入通知書アイキャッチ 税金に関すること

こんにちは。「iDeCo」加入済のマッキーです。

記事「サラリーマンの税金計算 所得税の計算ってどうやるの?」において、サラリーマンの税金である所得税の計算の流れをおおまかに説明しました。

こちらでは、個々の所得控除の中身について説明したいと思います。

今回は「小規模企業共済等掛金控除」についてです。

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所得控除「小規模企業共済等掛金控除」とは・・

「所得控除」というものは、もうけを表す所得(サラリーマンの場合は給与所得)から控除するものです。

(何の事だか、分からない?そうですよね。大丈夫です)

「所得控除」の中でもサラリーマンの方々にあまり馴染みがないのが、この「小規模企業共済等掛金控除」ではないかと思います。

「小規模企業共済等掛金控除」とは次のいずれかの掛金を支払った場合、その支払った金額の全額が所得控除となるものです。

  • 小規模企業共済法に規定する共済契約の掛金
  • 心身障害者扶養共済制度の掛金
  • 確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金

強調するためにもう一度、言います!!

その支払った金額の全額が所得控除!!

「所得(もうけ)」から掛金金額を全額控除!!

「課税対象所得金額」が安くなる(掛金分だけ)

所得税が安くなる!!

ということです。

「小規模企業共済制度」とは・・

小規模企業共済制度とは、小規模な企業の経営者や役員、個人事業主の退職金制度みたいなものです。

(普通のサラリーマンにはなじみがないですよね)

「独立行政法人中小企業基盤整備機構」が運営を行っていて、経営者等は月額1,000円~70,000円の範囲内で掛金を拠出して積立て、将来退職や廃業をした時に一時金あるいは年金として、その積み立てた分と運用によるプラスα分を受け取るという制度です。

積み立てた分及びプラスα分を受け取るだけなので、たいしたことがないと思われるかもしれませんが・・

掛金の全額が所得控除です!!

月額最高7万円、年間84万円の掛金を拠出したとします。

所得税率が20%(所得税は超過累進税率)の人なら、住民税と合わせると約30%になるため、84万円×30%→約25万円もの節税となります。

最低税率5%の人でも住民税を合わせると約12万円もの節税となります。

1年でこれだけの節税!!

何十年も働いたら・・・・、

全額控除のスゴさがお分かりいただけましたでしょうか?

(注)一時金としてもらう場合は退職所得、年金としてもらう場合は雑所得の対象となります。多少注意が必要ですが、もらい方により対応の仕方が多々あるため、払った時の所得控除のメリットの方が大きいと思われます。

気になる方は、 独立行政法人中小企業基盤整備機構 のページをチェックしてみてください。

「心身障害者扶養共済制度」とは・・

「心身障害者扶養共済制度」とは、市町村や都道府県などが実施している共済制度です。

心身障害者を扶養している保護者が相互に助け合いましょうねという精神に基づき実施されている共済制度です。

心身障害者の保護者などが掛金を支払い、保護者に万が一のことがあると、その障害者である子に生涯にわたり年金が支給されるという制度です。

親は加入時の年齢により1口につき1万円前後から2万円前後の掛金を毎月支払い、その親が65歳到達かつ20年以上の加入期間を満たせば、以後の支払いは免除されます。

2口まで加入できるようです。

子がもらえる年金は1口につき24万円(月額2万円)程度のようです。

子の障害者の要件は、身体障害者手帳1~3級、療養手帳の交付を受けているなどがあるようです。(身体障害者手帳、療養手帳等は、記事、所得控除 障害者控除とは?参照)

障害者のための共済制度ということからその拠出した金額は

全額が所得控除となります!!

気になる方は、お住まいの市町村のホームページ内で、「心身障害者扶養共済制度」で検索すれば、詳しいページにたどり着けるかと思います。

「確定拠出年金法に規定する年金」とは・・

確定拠出年金法に規定する年金は、企業型個人型とがあります。

どちらも基本的な考え方は確定した拠出、つまり掛金(支払う金額)が決まっていて、それを一定の期間支払い続けます。

その支払った掛金を、自らの指示により投資信託や定期預金などで運用を行います。

将来歳を取って、その受け取る日(原則的に60歳~70歳の間)がきたら、その運用結果によって増えたり減ったりした掛金総額プラスα、あるいは掛金総額マイナスαの金額を一時金又は年金により受け取るというものです。

(支払う金額が決まっているから確定拠出年金といいます。これに対して、もらう金額が決まっている確定給付年金というものもあります。)

企業がこの制度を採用していれば企業型確定拠出年金、個人が自ら加入するものを個人型確定拠出年金とされています。

ちなみに企業型でも企業と従業員の合意により掛金を上乗せできるものもあります。

この個人型確定拠出年金を最近加入者が増大している、「iDeCo」と呼ばれるものです。

サラリーマン税理士であるワタシも入っていますよ。

(掛金は年間24万円、節税効果は・・・・、ひ・み・つ)

月々一定額を支払って運用するという考え方でいえば、毎月一定額を支払うする積立投資、あるいは毎月一定額を定期預金に預ける積立定期などと変わらないと思われるかもしれません。

しかしながら何度もいいますが次のメリットがあります。

掛金全額が所得控除!!

もう1回言います。

掛金全額がしょ・と・く・こ・う・じょ!!!

「掛金全額を所得控除してもいいよ」というくらいですから、国が推奨している訳ですね。

国が自分で将来の年金あるいは一時金を推奨!!

ということは、やっぱり年金だけでは食べていくことが・・・・・(以下、自主規制)

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最後に・・

本日は「小規模企業共済等掛金控除」を紹介しました。

何度も説明しましたが、支払った金額が全額所得控除というものは本当に偉大なものです。

収入が給与所得のみのサラリーマンにとって、本当の意味での節税とよばれるものはこの「小規模企業共済等掛金控除」くらいかもしれません。

掛金を支払って所得控除されると言われても、税金が減るだけで実際の収入がある訳ではないため、大部分のサラリーマンは、その偉大さに気づいていないのではないかと思っています。

節税というものは収入が増えるものではなく出ていくものが減るものですから、大部分の方は実感が湧かないものなんですね。

でも少し意識してみると、全然違うことに気づくはずです。

加入者が増えている理由に気づくと思いますよ。