社長とスタッフ数名の小売店 経理に必要な帳簿書類

電卓をたたくスタッフ 帳簿

こんにちは。雇われ税理士のマッキーです。

小売店を営む事業者の方、これからお店を開こうとお考えの方、帳簿はどうしていますか?

お店をやっていく上で絶対に避けて通れないのが、売上や経費などのお金の流れを記録するということですよね。

「お店を始めたばかりで、経理についてはどうしたらいいのか分からない」

「何となくノートをつけているが、これでいいのかどうか自信がない」

大丈夫です!!

今回は比較的小規模な小売業を営む方が、経理に必要となる帳簿をつくる上で必要最低限作ってほしい書類や習慣などについて書いてみました。

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小規模な小売店が作っておきたい帳簿書類

今回の読者対象のイメージは、雑貨屋さん、お花屋さんなど街の商店街のお店などです。

お店の規模は事業主とスタッフ数名くらいの小規模なお店をイメージしています。

イメージは小さな小売業ですが、現金を取扱うその他のサービス業なども参考になると思います。

さて、経理に必要となる帳簿をつくる上で必要なものは、次の通りです。

  1. 現金出納帳
  2. 預金出納帳(口座別)
  3. 売上に関する書類
  4. 仕入・棚卸に関する書類
  5. スタッフの給料に関する書類
  6. 受け取った請求書・領収書の保存
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現金出納帳 現金管理は小売業の生命線

小売業における現金管理

小売業はキャッシュレス化が進んでいるとはいうものの、まだまだ現金売上がメインとなっていると思います。

そうなると現金をいかにきちんと管理するか、とても大切ですよね。

現金はきちんと管理しないと必ず過不足が発生します。

現金の受け渡しの間違い、社長が少し持ち出した、盗難されたなどなど、ほっておくと勝手にどこかに流れて行ってしまうのが現金というものです。

管理という面から見たら100%電子マネー、クレジットカードなどのキャッシュレス決済による売上が理想です。

ですが難しい面もあるでしょう。

現金売上は当面の間なくならないでしょう。ならば「現金管理はどうする?」ですよね。

マッキーが社長様にお勧めしていることは、売上現金であるレジ現金経費などの支払に関する現金分けて管理することです。

売上現金は「レジ現金」として管理し、経費に関する現金は「現金出納帳」に取引を記載して、それぞれ管理します。

売上現金(レジ現金) 銀行入金は必須 

その日の現金売上に相当する現金は、翌日必ず銀行口座に入金しましょう。

これをすることにより、前日にその金額に相当する現金売上があったという事実が客観的に証明されます。

毎日は面倒くさいというのであれば、3日分まとめてとか、1週間分まとめてとかでも構いません。

まずは売上現金と同額の金額を1度銀行口座に入金するという習慣をつけてください。

売上現金をそのまま通帳に入金するという習慣があれば、売上現金についてのお金の流れをノートに記録するという作業は必要ありません。

ひとつ例を挙げてみます。

お店のレジ現金については、レジ現金残高を設定していると思います。

あるお店のレジ現金の残高は10万円に設定されているとしましょう。

朝の開店時のレジ現金残高は当然10万円です。

その日の営業を終えてレジを締めてみると、その日の売上レシートには現金売上6万円、クレジットカード売上2万円と記載されていました。

その日の現金売上は6万円ですから、その夜の閉店後のレジ現金の理論上の残高は16万円となるはずです。

実際に数えてみたら、現金は16万円ありました。

ハイ!!問題なし

翌日になったら、6万円は銀行口座に入金。レジ現金は再び10万円で開店です。

これを毎日続けるだけです。

現金売上の記録は、その売上金額と同等の金額を通帳に入金することだけで事が済みます。

売上現金金額そっくりそのまま銀行口座に入金する。早速明日から始めましょう。

現金出納帳 現金支払経費はこのノートで管理

現金出納帳への記載方法

「現金出納帳」とは、現金入金出金記録しておくノートです。

家計簿と似たようなものです。

家計簿はお家のお金の入手金を記録しますが、「現金出納帳」は事業に係る現金の入手金を記録するものです。

「現金出納帳」の記載をしてみましょう。

まず最初は現時点での手もとにある現金残高を数えてください。(※レジ現金は別物です)

例えば、4月1日における手もと現金残高を数えたら59,630円あったとします。書いてみましょう。

   摘要      入金    出金     残高   
 4 1手もと残高    59,630

4月2日に手もと現金として、銀行口座から10万円引き出しました。書いてみます。

   摘要      入金    出金     残高   
 4 1手もと残高    59,630
 4 2預金引き出し   100,000    159,630

4月3日、ファミリー文具店文房具2,200円を購入しました。

現金支払時の摘要には、支払先支払内容を簡単に記載します。これは必須ですよ。

書いてみます。

   摘要      入金    出金     残高   
 4 1手もと残高    59,630
 4 2預金引き出し   100,000    159,630
 4 3ファミリー文具店 文具代   2,200    157,430

4月5日、仕入先であるひまわり商事に3月分の仕入代金55,000円を支払った。

毎月取引のある仕入先など、支払先を記載するだけで取引内容が分かるような場合は、支払内容を省略しても構いません。

   摘要      入金    出金     残高   
 4 1手もと残高    59,630
 4 2預金引き出し   100,000    159,630
 4 3ファミリー文具店 文具代   2,200    157,430
 4 5ひまわり商事3月分   55,000    102,430

現金出納帳の記載は上記のように、預金から現金を引き出したら入金欄にその金額を記載し、諸経費の支払いを行ったら出金欄にその金額を記載していくだけのノートです。

そんなに難しいものではないということがお分かりいただけると思います。

作業は大変かもしれませんが・・。

※売上現金は、レジに一度お金が入りその翌日において銀行に入金されますから、こちらの入金欄には記載しません。

「現金出納帳」は文房具屋さんなどで普通に売っていますよ。

ネット通販でも販売しております。


現金管理 現金出納帳と実際現金残高の一致の確認

現金出納帳への記載方法は分かりました。

それではこの現金出納帳を基に、どのように経費用現金を管理するのでしょうか?

簡単です。

現金出納帳に記載されている現金残高と、実際に手もとにある現金残高が一致することを確認するだけです。

上の現金出納帳によると、4月5日現在の現金残高は102,430円となっています。

実際の現金残高を数えて、102,430円と一致すれば問題ありません。

もし過不足があれば原因を究明する必要があります。

もし実際現金が不足しているのであれば、紛失、盗難、精算ミス、現金出納帳記載漏れなどの理由が考えられます。

実際現金が多ければ精算ミス、現金出納帳への二重記載などの理由が考えられます。

この現金出納帳と実際現金有高の一致の確認を習慣づけましょう。

毎日確認が理想ですが、大変だというならば、最低1週間に1回は確認するようにしてください。

この習慣をつけることにより、行方不明現金がほぼ無くなるでしょう。

経費支払用の現金は1度金庫へ入金しよう!

経費支払用として引き出した現金は、1度金庫に納めましょう。

金庫といっても手提げ金庫など、1度納めておく場所をつくればOKです。

1度金庫に収めた現金は、原則として領収書と引き換えに、領収書に記載された金額を引き出します。

領収書は金庫に現金と一緒に保存しておきます。

領収書がある程度たまったら、その領収書を基に「現金出納帳」に記載しましょう。

この流れの習慣をつければ、現金出納帳残高と実際有高の不一致はほとんど皆無です。

小売業における現金の流れは・・・

売上によりお客様の手元からレジへ入金→レジから銀行口座へ入金→銀行口座から手提げ金庫へ→手提げ金庫から各種支払い

となります。


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預金出納帳 記載要領は現金出納帳と同じ

「預金出納帳」も作成しましょう。

取引銀行が2以上あれば、口座ごとにそれぞれ預金出納帳を作成します。

記載要領は現金出納帳を同じです。

預金出納帳の場合、主な入金は売上現金の入金、カードその他のキャッシュレス決済の売上に係る売上代金の入金がではないでしょうか。

売上現金入金の場合は、「売上現金入金」、カード売上などに係るカード会社からの入金についてはカード会社名を記載しておけば十分でしょう。カード会社発行の入金明細の保存は必須です。

出金の場合は現金出納帳と同様に支払先、支払内容を記載します。

なお「預金出納帳」を作成するのが面倒というのであれば、通帳をコピーしてそのコピーに内容が分かる程度にメモ書きをしておくだけでも大丈夫です。

通帳には支払先などはすでに記載済ですので、補足程度にメモ書きをしておけば良いでしょう。

カード支払や総合振込の場合の様に、支払先等が不明の場合はカード支払明細を添付したり、振込先の一覧などの添付をしてください。

預金出納帳を作成するのが楽か、通帳コピーにメモ書きの方が楽か、実情にあわせてどちらかを作成するようにしてください。

※現金出納帳も預金出納帳も共通していえますが、社長が個人的に持ち出した、社長から一時的に借り入れて入金したという事実があれば、それぞれ記載してください。

それぞれ社長への貸付金や、社長からの借入金として後日精算されるべきものとして、記録しておく必要があるものです。

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売上に関する書類 レジレシートの保存のみでOK!!

売上に関する書類は、「レジレシート」を保存しておけば大丈夫です。

「レジレシート」には現金売上、カード売上ごとに、件数、合計金額などが記載されていると思います。

それを1ケ月ごとに保存しておくだけで充分です。

毎日の、あるいは1週間ごとの、1ケ月の売上金額をリアルタイムで知りたいというのであれば、ノートに売上金額をメモ程度に記載しておくだけでも良いでしょう。

もちろんパソコンができるなら、そちらの方が良いでしょう。

なお、カード売上のお店控などの保存も必須です。

なおネット販売も行っていて、商品代金が直接通帳に振り込まれるなどのケースは、レジレシートによる売上が確認できませんので、「預金出納帳」あるいは「通帳コピー」に「ネット売上」などと記載する必要があります。

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仕入れ・棚卸に関する書類 

仕入れに関する書類は請求書・領収書の保存で良い

仕入に係る書類については、仕入先からの納品書、請求書、領収書の保存で大丈夫です。

毎月、銀行振込により支払を行っていて領収書をもらっていないような場合、振込用紙を保存しておけば大丈夫です。

通帳に支払先名が記載されている場合は、振込用紙も必要ないでしょう。

商品の棚卸 会計期間末に1度は必須

商品の棚卸については、「個人事業者」ならば年末に、「法人」ならば会計期間末に行うことは必須です。

棚卸とは、ある時点でお店や倉庫においてある商品の在庫の数と金額を調べることです。

商品の種類ごとに在庫の個数を調べ、その在庫の数にその商品の仕入金額を掛け算すると在庫商品の金額が判明します。

(例)期末時点 A商品 在庫10個 仕入価格500円:B商品 在庫3個 仕入価格100円

期末棚卸金額は、A商品(10個×@500円)5,000円+B商品(3個×100円)300円→5,300円と計算します。

これを表にしたものが「棚卸表」です。

なお、棚卸した際の在庫の個数に乗じる仕入金額(仕入単価)をいくらにしたら良いかという問題が出てきます。

これについては、あらかじめ税務署に届け出を行った方法による金額に基づきます。

え?届け出をしていない!?

大丈夫です。

届け出をしていない人は、個人事業主の場合は年末法人の場合は会計期間の末日からさかのぼって、一番近いときに仕入れを行った時の1個あたりの金額を使います。

「最終仕入原価法」などと呼ばれているものです。(知らなくて全然平気です)

棚卸は、毎月やることが理想です。

難しければ、「個人」ならば年末に、「法人」ならば会計期間末日必ず行いましょう

棚卸金額がなければ正しい利益金額の計算ができません!!


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スタッフの給料に関する書類 

スタッフの給料に関する書類は「賃金台帳」とスタッフに渡す「給料明細」の作成が必要となります。

アルバイトといえども「賃金台帳」の作成はしておきましょう。

「賃金台帳」というとオカタイというイメージがありますが、要するに次の事項を記録したノートというイメージで大丈夫です。

  • 氏名
  • 性別
  • 賃金の計算期間
  • 労働日数
  • 労働時間数
  • 時間外労働、休日労働、深夜労働などの時間数
  • 基本給などの金額
  • 賃金の一部を控除した場合はその額

特に法律などで書式が決まっている訳ではないので、手書きで次の表のような作成をしておけばOKです。

市販のノートを買ってもいいですし、パソコンでエクセルなどの表で作成しても大丈夫です。

スタッフごとに作成しますよ。

氏名:牧田牧子(女)                            
 1月 2月 3月 4月 5月 6月
労働日数 20日
労働時間数 80h
時間外労働時間数
休日労働時間数
深夜労働時間数
基本給 84,000
手当
時間外労働手当
休日労働手当
深夜労働手当
通勤手当 8,000
支給額合計92,000
健康保険料
介護保険料
厚生年金保険料
雇用保険料276
所得税290
住民税
控除額合計566
差引支給額91,434
賃金台帳の例

「賃金台帳」は会社で保存します。

これを基に給料明細書を作成し、給与支払日にスタッフに手渡します。

給料明細の控も会社で保管します。

賃金台帳も文房具屋さんにおいてあります。ネット通販も便利ですよ。


受け取った請求書・領収書の保存

仕入先からの納品書、請求書及び領収書。

「現金出納帳」「預金出納帳」に記載された取引に関する領収書など。

売上に係るレジレシートや売上に関し当方が発行した領収書の控。

などなど、受取や支払など、お金が動くことに関する書類は一切整理して保存しておく必要があります。

これは、それぞれのノートに記載された取引を証明する書類となるものですので、大切に保存しておくことをお願いします。

仕訳帳 総勘定元帳 正式な会計帳簿は専門家に依頼がベスト

経理に関する正式な書類をつくるのはめんどくさい!!

あなたのお店は「会社」という形で経営していますか?

それとも「個人事業主」ですか?

会社の場合あるいは個人事業主で「青色申告」を適用している場合、正式な帳簿書類の備付は義務となっています。

正式な帳簿書類とは「仕訳帳」「総勘定元帳」のことを言います。

「仕訳帳」と「総勘定元帳」という書類作成については、簿記という専門的な知識が必要となります。

仮に簿記の資格を持っているとしても、正式な書類がきちんと作成できるようになるには一定の経験が必要となります。

現在は会計ソフトも充実していて簿記の知識などがなくても形の上では、「仕訳帳」と「総勘定元帳」が作成できたりします。

(領収書や通帳の写真を取り込むだけで、自動で仕訳作成し総勘定元帳作成するというような)

形の上では完成している「仕訳帳」と「総勘定元帳」ですが、専門家がチェックしていない「仕訳帳」と「総勘定元帳」は、必ずミスがあります。

(税務署などの調査が入ってチェックを受けたりする場合、調査官はプロですから必ずその帳簿のミスを発見します)

あなたは経理に必要な書類を作るための知識習得のために時間を費やしますか?

それとも経営戦略を考える、販売戦略を考えるなどに時間を費やしますか?

トップはどちらに時間を費やした方が利益があるのでしょうか?

帳簿書類である仕訳帳・総勘定元帳 やっぱり税理士に依頼しよう

「仕訳帳」と「総勘定元帳」の作成は、専門家である税理士に依頼するのがベストかと思います。

ワタシが本日紹介した書類を作成しておけば、「仕訳帳」と「総勘定元帳」をつくるための基となる書類はできています。

毎月書類が出来あがったら、その書類を会計事務所に提出する。

会計事務所からは、(事務所の忙しさにもよりますが)1~2週間後には試算表を送られてくるでしょう。

試算表とはその月末時点での、財産の状態(預金✖✖円、借金✖✖円など)や利益の情報(売上✖✖円、経費✖✖円、利益✖✖円など)が記載されているので、経営の参考になるでしょう。

税務署への申告に必要な書類も作ってもらえるでしょう。

税務相談や経営相談その他ちょっとしたことの相談にも乗ってもらえると思います。

(特別の手続きなど別途料金が発生するものもありますが)

気になるのは「税理士に依頼したら費用はどのくらいなのか?」ということかと思います。

事務所によりけり・・。

といえばそれまでですが、次の金額が目安となると思います。

売上高が年1,000万円から5,000万円前後の場合(消費税抜きの金額です)

①月額顧問料(総勘定元帳などの記帳込)・・・3万円前後

②決算料(法人税、所得税、消費税などの申告のための書類作成費用等)・・月額顧問料の4~6ケ月分くらい

年間費用は、月額30,000円×12ケ月+決算料30,000円×6ケ月→約54万円

相当ざっくりですが、年間およそ50万円前後で仕事を請ける税理士事務所は多数あると思います。

事務員を雇うことを考えた場合、アルバイトと言えども最低月8万円くらい必要ではないでしょうか。

年間にしたら約90万円超の費用を要します。

しかも、正確に処理できるようになるまで、多少の時間を要します。

だから、やっぱり税理士に頼みましょうね!!

そっちの方が楽ですよ。

ちなみに税理士の良しあしですが、会計帳簿の作成と法人税、所得税、消費税などの確定申告に必要な書類作成などは、はっきり言って誰が作っても同じです。

これらの業務は、税理士ならば出来て当たり前のものです。

その税理士の対応のレスポンスが良いか?

その税理士と相性が良さそうか?

その税理士はメールが使えるか?(笑)((笑)としましたが、60代以上の「先生」と呼ばれて喜んでいる方々は・・、これ以上書けません。デジタル関係に強いかどうか税理士によって天と地ほどの差が・・)

で選んでよいかと思います。

最後に

長々とお付き合いありがとうございます。

社長1人、従業員はスタッフ数名ですと、すべて社長がやる必要がありますよね。

本当に大変だと思います。

今回紹介した中で、本当に社長にお願いしたいものは現金出納帳の作成現金管理です。

これさえ行って頂ければ、あとは請求書、領収書等、通帳コピーなどの書類を税理士事務所に丸投げでも、正確な会計帳簿の作成は可能です。

現金は本当にきちんと管理しないと行方不明になる。

それは商売の命取りとなります。

ぜひ現金の管理に力をいれてください。

そして、ぜひいい税理士をみつけて、面倒なことは専門家に任せてください。

今の税理士が気に入らなければ、チェンジしてもいいと思いますよ。

税理士の対応が気に入らなければチェンジする!!

このことが当たり前になれば、税理士業界にとってもプラスになると、ワタシは考えています。

社長とワタシ達税理士が、ともに歩んでいけたら、この上なく幸いです。

社長の今後のご活躍に期待していますね!!